【後編】独立するタイミングは自分次第。 できることから小さく始めていけばいい

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ネイリーで活躍する人気ネイリストの声をお届けするインタビュー。
今回は東京・三鷹のエリアの人気サロン「adel nail」の菅原さんにお話を伺いました。

前編はこちらから。

後半では価格改定のタイミングやリピーターのお客様が離れない一番の理由となっている、菅原さんのある「こだわり」について迫ります!

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はじめは価格を安くしてできることから始める。落ち着いてサービスを提供することを優先

ー独立してから今日に至るまで、価格をどう決めてきたのですか?

最初に都心でやってたときは3,500円くらいでやってたんですよね。すごく安く始めた理由は、まずはその時の自分ができることで始めたかったからです。デザインもあまり難しくないものに絞って、アートも2本までにして。できることとできないことを最初にはっきり提示しあまり多くを求められない状態にして、自分がパニックにならず落ち着いてサービスを提供できるよう工夫しました。

ー都心でその価格はかなりの破格だと思うのですが、最初は赤字も覚悟されていたのでしょうか。

赤字にはならなかったですよ。その時は価格を低くした分、1人あたりの施術時間を短くしてお客さまの枠数を増やしていました。基本メニューは安くて施術時間も短めにして、他にやってほしいことがあればオプション料金をいただく、という仕組みにしていました。

ー価格を見直すタイミングはどのようにされていましたか?

サロンを移転してエリアが変わるタイミングもありましたが、どちらかというとその他の理由が多いです。
移転の際には今いるお客さまに付いてきていただきたいので、エリアが変わるタイミングでの価格変更はあまりやらない方がいいと思っていて。「次の場所では1,000円上がります」って言われたら、通うのをやめるきっかけになっちゃうじゃないですか。
たとえば、それまでは基本のメニューに1,000円〜2,000円追加するとケアの施術を付け足せるよういにしていたのですが、これをやるのとやらないのでは仕上がりのクオリティに違いが出るので、基本のメニューに組み込むので値上げしますとか。価格は上がるけどその分仕上がりもさらにキレイにして

ー今(2021年現在)は何本でいくら、でなく時間制になっていますね。そのように設定された理由は?

お客さまが他の店に行った時のお話で、オプションのプラス料金が重なってすごく高くなってしまう、という声があって。
このデザインだと+500円、複数の色を混ぜると1色いくらとか。そうすると、どんどん料金が高くなっていく。でも、叶えたいデザインがあるのに金額で諦めていたら結局仕上がりに満足できないじゃないですか。であれば、時間制にしてその中で何でもできるほうがいいかなと思い今の価格設定にしました。

ーデザインはお客さんと決めるのですか?おまかせが多いとか、持ち込みが多いとか・・。

おまかせはたまにリクエストされますね。持ち込みもあります。ただ、新規の方にはうちで用意したデザインから選んでもらって、2回目以降は持ち込み可能にしています。1回来ていただけたらうちのネイルがどんな感じか分かると思うので。

ーギャラリーのデザインはどのようなタイミングで増やしているのですか?

週1では変えるようにしています。あとは、新しい色やジェルなど流行りのものを入荷した時もアップします、最近だとマグネットジェルとか。無理がない範囲で更新することにしています。
ギャラリーはメニューのように「ここから選んでね」っていう場所として使っています。

ーでは、アートの研究はいつどのようにされているのでしょうか?

頭の中で考えていることが多いですね。研究まで1日の予定に組み込むと1日10何時間もネイルすることになっちゃうからまずは頭で考えておいて、自分の手かチップでやってみる。で、ダメだったらすぐやめる。
お客さまがやりたいデザインで分からない部分はその度に調べますが、基本的にアートを考える時は素材を見ながらどうしようかな、って考えることが多いですね。どう置いたらキレイに見えるかなって。

ーもともと服飾系の学校にいらした菅原さんならでは、という感じがしますね。

デザインはオリジナリティがうんぬんと言われがちですが、みんなが同じようなデザインをしていてもいいと思うし、そこから派生して色んなアートが新しく生まれてもいいと思うし。だから、1から考えるのが難しい時は派生したものを考える方がアイデアを出しやすいとは思いますね。

1~2時間の楽しいトークより、1ヶ月ネイルがキレイな方が満足度は高いはず。仕上がりのクオリティには何よりもこだわる

ーデザインや技術以外の部分で気をつけていることはありますか?

気をつけているのは愛想笑いはしないとか、上っ面のコメントをしないこと。自分で思う以上にお客さまはそういう対応に敏感です。当たり障りないトークはしない方がいいですよね。

ーたとえば新規の方とはどのようなコミュニケーションで距離を縮めるのですか?

難しい質問ですね。でも・・・初めて会った人って普通に興味湧くじゃないですか。どこから来たのか、迷子にならなかったか、とか。どうしてネイルしたいのか、どうしてうちにしたのか、どうしてこの色を選んだのか・・・ってごく普通のことを聞いて。純粋に興味があることを質問しています。もちろん質問に答えるのが苦手な方には話しかけないです。言いたくなさそうな雰囲気なら「そっかそっか、じゃあネイルやるね」って(笑)


ー特にトークが盛り上がらなかったからといってリピートしてもらえない、というわけではないのでしょうか。

そうですね、盛り上がらなくても来る方は来ますね。
でも結局、メインはネイルなので、持ちが良いなどの技術面をなんだかんだ一番重視するんじゃないかなと。心の距離感は少しずつ仲良くなれればそれでいいですし。
だから私は最初にお会いした時にトークを無理しすぎない。会うのは1〜2時間だけどネイルは1ヶ月なので、そちらのほうが大事かなって

ー確かにそうですよね。1ヶ月ずっと満足できたら嬉しい。

デザインや持ちの良さを気に入ればそのネイリストのことも好いてくれると思いますし・・・最初は緊張するのはみんな同じなので、そこで無理してコミュニケーションを取ろうとしない方がいいと思います。

ーでは、技術面でここはこだわっている!っていう点はどこですか?

仕上がりのクオリティですね。私は全体的なフォルムのキレイさなどもこだわっています。全て形と長さを揃える、キレイに見えるのが大前提。それに甘皮のケアとかプレパレーションのような最初の処理にも時間をかけています。最終的なクオリティが上がるし、次に来店する時までなるべく取れないように。ジェルも色々試して一番良いものを常に探しています。

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